用語集

Basics of Solar Sharingソーラーシェアリングの基本

ソーラーシェアリング

農地で作物を育てながら、上空に細長い太陽光発電モジュールを設置して農業と発電を同時に行う仕組み。
農業を継続しながら土地を有効活用できるため、農業者の新たな収入源となる。

遮光率

太陽光発電モジュールが農地に届く日光を遮る割合。作物の生育に必要な日射量等を確
保するための重要な指標。必要な遮光率は、作物の種類や地域によって異なる。

架台

太陽光発電モジュールを支える構造物。
架台の高さは、農作業の妨げにならないように、トラクターなどの農機が通行できる高さ(通常2メートル以上)に設計する。
風や雪、台風などの気象条件に耐えられる強度と耐久性が求められる。

Electricity Selling Mechanism売電の仕組み

FIT (固定価格買取制度)

再生可能エネルギーで発電した電力を、20年間、固定の単価で電力会社が買い取る制度。
20年間という長期にわたって売電できるため、安定した収入を見込むことができ、事業計画が立てやすい。
再生可能エネルギーの種類や発電所の規模によって、異なる買取単価が設定される

FIP (フィード・イン・プレミアム)

FITに代わる新たな制度として、2022年度にスタートした。電力卸市場価格にプレミアム(上乗せ額)を加えて再エネ電力を買い取る
仕組み。買取単価が市場価格に連動するため、収入が変動する可能性がある。

自家消費

自社施設の屋根などに太陽光発電設備を設置して、発電した電力を同一の需要地内で消費すること。
電気料金の削減効果によって設備の投資回収を行うことができる。自家消費しきれずに余剰した電力は売電することも可能。

PPA (パワー・パーチェス・アグリーメント)

発電事業者と電力需要家の間で結ぶ電力購入契約。需要家は使用した電力量に応じてサービス料金を支払う。
契約期間は10~25年など長期にわたることが多い。需要地内に太陽光発電設備を設置するオンサイトPPAと、需要地の外の発電設備か
ら電力と調達するオフサイトPPAなどのパターンがある。

Electric Power System電力システム

系統連系

発電設備を電力会社の送配電網に接続すること。電力系統を使用して電力を売電するために必要な手続きの一つ。
地域によっては送電線の空き容量不足により、新規接続が制限される場合がある。

パワーコンディショナー (PCS)

太陽光発電設備で生成される直流電力を、一般家庭や事業所で使用できる交流電力に変換する装置。異常時にシステムを自動的に
シャットダウンしたり、漏電を検知したりする安全機能を備えている。

蓄電池

電力を貯蔵する装置。平常時には、太陽光発電の昼間の余剰電力を蓄えて夜間に使用し、非常時にはバックアップ電源として活用でき
る。太陽光発電の電力を有効活用することで、電力の自給率向上させるほか、電力デマンドのピークシフトなどに役立つ。

VPP (バーチャルパワープラント)

複数の小規模な発電設備や蓄電池、需要設備を統合的に制御し、一つの大規模な発電所のように機能させる仕組み。
需給バランスの調整や電力の安定供給に寄与する。

ディマンドリスポンス

需要家が、電力の供給に合わせて電力の使用パターンを調整・変更することで、電力系統の安定化に協力する仕組み。
例えば、電力需給が逼迫している際には節電を行い、電力が余剰しているときに使用電力量を増やすなどの取り組みが挙げられる。電
力の供給側と需要側の双方で電力を適切に運用することで、社会全体の電力システムを最適化できると期待されている。

Solar Power Generation発電の種類

太陽光発電

太陽光エネルギーを直接電力に変換する発電方式。設置が比較的容易で、維持管理も手軽。
天候や日照時間により発電量が変動する特徴がある。

風力発電

風の力で風車を回転させて発電する方法。適切な風況が得られる場所で効率的に発電可能。
騒音や景観への配慮が必要で、大規模な設備が主流。

小水力発電

河川や農業用水路の水流を利用して発電する方法。水量が安定していれば、天候に左右されずに安定した発電が可能。
水利権や環境影響への対応が重要。

バイオマス発電

木質資源や有機廃棄物を燃焼・ガス化して発電する方法。
廃棄物の有効利用やカーボンニュートラルに貢献する。燃料の安定供給とコストが課題。

地熱発電

地球内部の熱エネルギーを利用して発電する方法。安定したベースロード電源として期
待されるが、適切な地質条件が必要。

海洋エネルギー

潮流や波、温度差など海洋の自然現象を利用した発電方法。技術開発段階であり、将来的な可能性が注目されている。

Local Initiatives地域での取り組み

地域新電力

地域内で主に再生可能エネルギーを活用し、小売り電気事業者として電力供給を行う会社。
電力の地産地消を推進し、地域経済の活性化に寄与する。

マイクログリッド

地域内の特定の小規模な電力網。自営線のみや配電線を含んだものもある。再生可能エネルギーと蓄電池等を組み合わせ、地域内で電
力の需給バランスを管理する事例もある。災害時の自立運転により、非常時の電力供給が可能。

アグリゲーター

複数の小規模発電設備や需要家を束ねてエネルギー資源を統合管理する事業者。需給調整市場での調整力供給や、バーチャルパワープ
ラント (VPP)の構築に関与する。

エネルギー・マネジメント・システム (EMS)

建物や工場、地域全体のエネルギー使用を最適化するシステム。
エネルギー消費の見える化や自動制御により、効率的な運用を実現する。

エネルギー・プロシューマー

エネルギーの生産者 (Producer) であり消費者 (Consumer) でもある個人や組織。
自ら発電したエネルギーを消費し、余剰分を売電する。

Related Systems関連制度

農地転用許可

農地に太陽光パネルを設置する際に必要な行政手続き。
一時転用の場合、3年から10年ごとの更新が必要で、農業を継続することが条件となる。

環境アセスメント

大規模な発電所の建設が地域の環境に及ぼす影響を事前に評価する手続き。
生態系や景観、地域住民への影響を総合的に調査し、必要な対策を講じる。

電力需給調整市場

電力の需要と供給のバランスを調整するための市場。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統の安定化が重要となっている。

再生可能エネルギー特別措置法

再生可能エネルギーの導入を促進するための法律。FIT制度の根拠法であり、再エネ普及の基盤となっている。

再エネ指定電気事業者制度

再生可能エネルギーを一定以上利用することを義務付ける制度。大口需要家や特定の業種に適用され、再エネ導入の加速を目指す。

New Developments新しい動き

カーボンニュートラル

温室効果ガスの排出量と吸収量を実質ゼロにする目標。再生可能エネルギーの活用や省エネルギー技術の導入が鍵となる。

RE100 (再エネ100宣言)

企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ。
サステナビリティ経営の一環として注目されている。

オフサイトPPA

発電事業者と需要家が直接契約を結び、離れた場所で発電された再生可能エネルギーを送電網を通じて購入する方式。
企業の再エネ導入手段として普及が進んでいる。

グリーン水素

再生可能エネルギーを利用して水を電気分解し、生産される水素。カーボンフリーのエネルギーキャリアとして期待される。

エネルギーミックス

国や地域が利用するエネルギー源の組み合わせ。
再生可能エネルギーの比率を高めることで、エネルギー安全保障や環境負荷の低減を図る。

ネットゼロエネルギービル (ZEB)

建物内で消費するエネルギーと、再生可能エネルギーの生産量を均衡させ、実質的なエネルギー消費をゼロにする建築物。
省エネ技術と再エネ活用の融合が必要。

technical terms技術用語

エネルギー変換効率

エネルギーを別の形態に変換する際の効率。太陽光発電では、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が重要。

直流 (DC) と交流 (AC)

直流は電流の向きが一定である電力形式、交流は電流の向きが周期的に変化する電力形式。
太陽光パネルは直流を生成し、パワーコンディショナーで交流に変換する。

インバーター

直流電力を交流電力に変換する装置。パワーコンディショナーの一部として機能する。

ソーラートラッカー

太陽の動きに合わせて太陽光パネルの角度を調整し、発電効率を高める装置。
初期投資とメンテナンスコストが発生するが、発電量の増加が期待できる。

レベル化コスト (LCOE)

発電設備の生涯コストを総発電量で割った値。異なる発電方式の経済性を比較する指標として用いられる。

エネルギー密度

単位体積または単位質量あたりのエネルギー量。再生可能エネルギーでは、エネルギー密度が低いことが課題となる場合がある。

Environment and Society環境と社会

SDGs (持続可能な開発目標)

国連が提唱する17の持続可能な開発目標。
再生可能エネルギーの普及は、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」などの目標達成に寄与する。

カーボンフットプリント

製品やサービスのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの総量。
再生可能エネルギーの導入はカーボンフットプリントの削減につながる。

ライフサイクルアセスメント (LCA)

製品やサービスの環境影響を、原材料の採取から廃棄・リサイクルまでの全過程で評価する手法。
再エネ設備の環境負荷評価に用いられる。

環境教育

再生可能エネルギーや環境保全についての教育活動。次世代への意識啓発や地域コミュニティの活性化に重要。

グリーンボンド

環境関連事業に資金を調達するために発行される債券。再生可能エネルギープロジェクトの資金源として利用される。

Global Trends国際的な動向

パリ協定

地球温暖化対策の国際的な枠組み。各国が温室効果ガス削減目標を自主的に設定し、再生可能エネルギーの導入拡大が求められる。

炭素税

炭素排出量に応じて課税する制度。化石燃料の使用抑制と再生可能エネルギーへの転換を促進する。

気候変動

地球規模での気温や天候パターンの変化。再生可能エネルギーの導入は、気候変動の緩和策として重要視されている。

国際再生可能エネルギー機関 (IRENA)

再生可能エネルギーの普及と持続可能なエネルギーの推進を目的とした国際機関。政策提言や技術支援を行う。

エネルギー安全保障

安定的かつ持続可能なエネルギー供給を確保すること。再生可能エネルギーの活用は、エネルギー自給率の向上につながる。